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【ミニPCをUbuntu化】MINISFORUM UM750L Slim のUbuntuサーバーテスト&レビュー【ミニPCレビュー】

えりる
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近年、MINISFORUMなどの小型PCは高性能かつ低消費電力なモデルが増えています。
今回は Ryzen 5 7545U を搭載した MINISFORUM UM750L SlimUbuntu 24.04.3 LTS を導入し、サーバー運用の安定性やドライバの互換性を中心に検証しました。

Windowsでのレビューは多いですが、Ubuntu/Linuxサーバーとしての実用性に焦点を当てたレポートです。

選んだ理由

今回 MINISFORUM UM750L Slim を選んだ最大の理由は、もうシンプルに「コスパの良さ」です。
5万円前半という価格で、2023年発売の Ryzen 5、1TB SSD、16GB メモリが乗ったミニPCが手に入るとなると、なかなか他に代わりがありません。
購入したのはAmazon(セールで購入)ですが、Minisforum公式サイトも同じくらいの値段で売っています。
公式サイトで購入した場合は保証も効くのでそちらの方が良いかもしれないですね。

メインの用途は Ubuntu サーバーとしての常時稼働。Webアプリを作ってローカルネットワーク上でアクセスできるようにしてみたかったんですよね。
その前提でスペックを眺めると、ちょうど“過不足ないライン”に収まっているなあと思ってこれにしました。

信頼性については、ミニPC市場は正直どこも怪しい感じなので、ある程度のリスクは取らないといけません。
その中で MINISFORUM を選んだ理由は、ミニPCの先駆者で実績が多い という点でした。

日本語の単なる翻訳ではない公式ページが用意されている点もよいと思います。
minisforum.jp というURLになっているのですが、.jpは日本のドメインであることを示しているので、日本用にわざわざホームページを用意しているということになります。
ただ、説明書の日本語はちょっと怪しい日本語って感じがしました。自然な日本語ではないです。

Ubuntuインストール

ミニPCにはもともとWindows 11 Proが入っているので、Ubuntuを上書きしてインストールしました。
Rufus」でUbuntu Live USB を作成してインストールしましたが、途中でインストールエラーで止まってしまいました。
Windowsがインストールされているパーティションを削除すると正常にインストールができました。
一応そのときの手順を記事にしているので、以下の記事もご確認ください。
(とはいえ、UbuntuのライブセッションでDisks を起動してパーティションを削除しているだけです。)

あわせて読みたい
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ミニPCのWindowsをUbuntuで上書きする | パーティションを削除しないとエラーが起こった話【Minisforum UM750 Slim】

UM750L Slimの動作テスト

今回の検証では、UM750L Slim 上で Ubuntu がどの程度安定して動作するかを確認するために、テストスクリプトを作成・実行しました。
サーバー用途を意識しており、GPUベンチよりも 安定性・ハードウェア認識・I/O性能 に重点を置いています。

テストの目的

  • Ubuntu が標準ドライバでどの程度ハードウェアを認識できるかを確認
  • ストレージやCPUの基本性能を計測
  • 温度・消費電力・安定性を軽くチェック
  • ネットワーク通信の信頼性を確認

テスト環境

UM750L SlimにUbuntu 24.04 LTSをクリーンインストールした直後の状態です。
サードパーティー性のドライバとソフトウェアのインストールのみチェックを入れてインストールしました。

項目内容
機種MINISFORUM UM750L Slim
CPUAMD Ryzen 5 7545U(6C/12T, Phoenix2)
GPUAMD Radeon 740M (内蔵)
メモリ16GB
ストレージKingston NVMe SSD 1TB
OSUbuntu 24.04.3 LTS(Kernel 6.14.0-35-generic)
接続有線LAN(Realtek RTL8125 2.5GbE)
電源USB-PD 100 W 電源を使用(USB-C 駆動)

実施したテストの内容とスクリプト

テストスクリプト はこちら
#!/bin/bash
# ===========================================================
# 注意:このスクリプトは検証目的の参考用です。実行は自己責任で行ってください。  
# 開発者はスクリプト実行によるいかなる損害にも責任を負いません。
# ===========================================================

LOGFILE="ubuntu_check_$(date +%Y%m%d_%H%M%S).log"

echo "=== Ubuntu Server Test ===" | tee -a $LOGFILE
echo "Start time: $(date)" | tee -a $LOGFILE
echo "---------------------------------------------" | tee -a $LOGFILE

# ---- 1. Basic System Info ----
echo "[1] System Info" | tee -a $LOGFILE
{
    echo "OS Version:"; lsb_release -a
    echo "Kernel:"; uname -r
    echo "Uptime:"; uptime
    echo "CPU Info:"; lscpu | grep -E 'Model name|Thread|CPU\(s\)'
    echo "Memory:"; free -h
    echo "Disk Devices:"; lsblk -o NAME,SIZE,TYPE,MOUNTPOINT
} >> $LOGFILE 2>&1
echo "✓ System info collected." | tee -a $LOGFILE
echo "---------------------------------------------" | tee -a $LOGFILE

# ---- 2. Hardware Detection ----
echo "[2] Hardware Detection" | tee -a $LOGFILE
{
    echo "GPU:"; lspci | grep -i vga
    echo "Network Adapters:"; lspci | grep -i ethernet
    echo "Wi-Fi Modules:"; lspci | grep -i wireless
    echo "Bluetooth Devices:"; lsusb | grep -i bluetooth
    echo "Audio Devices:"; aplay -l || echo "No audio device found."

    echo ""
    echo "--- DRAM Detail Info (dmidecode) ---"
    sudo dmidecode --type memory || echo "dmidecode failed."

    echo ""
    echo "--- iGPU VRAM Info (dmesg grep vram) ---"
    sudo dmesg | grep -i vram || echo "No VRAM info found in dmesg."
} >> $LOGFILE 2>&1
echo "✓ Hardware detection completed (incl. DRAM & VRAM details)." | tee -a $LOGFILE
echo "---------------------------------------------" | tee -a $LOGFILE

# ---- 3. Storage Performance Test ----
echo "[3] Storage Test (Quick)" | tee -a $LOGFILE
{
    TESTFILE="/tmp/testfile_$$"
    echo "Running disk read/write test on /tmp (may take ~10s)..."
    dd if=/dev/zero of=$TESTFILE bs=1M count=1024 conv=fdatasync status=progress
    sync
    dd if=$TESTFILE of=/dev/null bs=1M count=1024 status=progress
    rm -f $TESTFILE
} >> $LOGFILE 2>&1
echo "✓ Disk I/O test done." | tee -a $LOGFILE
echo "---------------------------------------------" | tee -a $LOGFILE

# ---- 4. Sensors & Temperature ----
echo "[4] Temperature Sensors" | tee -a $LOGFILE
{
    which sensors >/dev/null 2>&1 || sudo apt-get install -y lm-sensors
    sensors || echo "No sensors detected."
} >> $LOGFILE 2>&1
echo "✓ Temperature info recorded." | tee -a $LOGFILE
echo "---------------------------------------------" | tee -a $LOGFILE

# ---- 5. Network Test ----
echo "[5] Network Test (ping test)" | tee -a $LOGFILE
{
    ping -c 4 8.8.8.8
    ping -c 4 google.com
} >> $LOGFILE 2>&1
echo "✓ Network connectivity verified." | tee -a $LOGFILE
echo "---------------------------------------------" | tee -a $LOGFILE

# ---- 6. CPU & Memory Stress Test (optional, short) ----
echo "[6] Short Stress Test (30s)" | tee -a $LOGFILE
{
    which stress-ng >/dev/null 2>&1 || sudo apt-get install -y stress-ng
    stress-ng --cpu 8 --io 4 --vm 2 --timeout 30s --metrics-brief
} >> $LOGFILE 2>&1
echo "✓ Stress test finished." | tee -a $LOGFILE
echo "---------------------------------------------" | tee -a $LOGFILE

# ---- 7. Summary ----
echo "[7] Summary" | tee -a $LOGFILE
{
    echo "Hostname: $(hostname)"
    echo "Current Temp:"; sensors | grep -i temp
    echo "Uptime:"; uptime
} >> $LOGFILE 2>&1
echo "✓ Summary added." | tee -a $LOGFILE
echo "---------------------------------------------" | tee -a $LOGFILE

echo "✅ All tests completed successfully."
echo "Report saved to: $LOGFILE"
echo "---------------------------------------------"
#テスト項目内容主なコマンド・手法
1システム情報収集OSバージョン・カーネル・CPUスレッド数・メモリ容量・ディスク構成などを確認。lsb_release, uname -r, lscpu, free -h, lsblk
2ハードウェア認識GPU、ネットワーク、Wi-Fi、Bluetooth、オーディオなどを自動検出。lspci, lsusb, aplay -l
3ストレージ性能テスト/tmp 上で1GBの読み書きテストを行い、I/O速度を計測。dd if=/dev/zero of=/tmp/testfile bs=1M count=1024
4温度センサー確認CPUやSSDの温度センサーを読み出して、発熱の傾向を確認。lm-sensors
5ネットワークテストIPv4/IPv6 両方で外部への ping を実行し、遅延と安定性を確認。ping 8.8.8.8, ping google.com
6CPU/メモリ負荷テスト30秒間の短時間ストレステストで安定性をチェック。stress-ng --cpu 8 --io 4 --vm 2 --timeout 30s
7まとめ・ログ出力実行中の温度・稼働時間・ホスト名などを最後に再記録。sensors, uptime

評価結果のまとめ

  • テスト実行後のCPU温度 31 ℃
  • アイドル時消費電力 4 W
  • テスト中消費電力 最大 16 W

システム情報

項目結果
OSUbuntu 24.04.3 LTS
Kernel6.14.0-36-generic
Uptime38 分稼働(ログ取得時)
CPUAMD Ryzen 5 7545U(12スレッド)
メモリ13 GiB (≒ 14 GB)使用可能
メモリ内訳used 1.1 GiB / free 7.3 GiB / buff/cache 5.4 GiB
Swap4.0 GiB(未使用)
ストレージ構成NVMe 953.9 GB(/boot/efi 1GB, / 952.8GB)

ハードウェア認識

デバイス結果
GPUAMD Phoenix2(Radeon 740M)
有線LANRealtek RTL8125 2.5GbE(正常認識)
Wi-Fi認識なし (MediaTek製のWiFiカードが搭載されている)
Bluetooth認識なし
オーディオaplay により「no soundcards found」

DRAM 詳細情報(dmidecode)

  • メモリはMicron製
    → 有名メーカー品なので信頼性 ◎
  • 総容量:16GB(LPDDR5 / 4ch構成)
  • ※OSからの認識はVRAM予約により14 GB 付近
  • メモリははんだ付けなので交換不可
チャンネル容量メーカー型番規格速度
A4 GBMicronMT62F1G32D4DR-031 WTLPDDR56400 MT/s
B4 GBMicronMT62F1G32D4DR-031 WTLPDDR56400 MT/s
C4 GBMicronMT62F1G32D4DR-031 WTLPDDR56400 MT/s
D4 GBMicronMT62F1G32D4DR-031 WTLPDDR56400 MT/s

iGPU VRAM割り当て(dmesg)

  • メモリ16 GBのうち2GBはGPUに割り当て
項目結果
VRAM 割り当て量2048 MB(2GB)
認識ログamdgpu: VRAM: 2048M

ストレージ I/O テスト

  • ストレージはKingston NVMe SSD(PCIe Gen. 4) 1TBを搭載
    有名メーカー品なので信頼性 ◎
  • PCIe Gen 4 SSD としては書き込み速度が遅い
  • Readがすごく早いのは Linux のページキャッシュ(Page Cache) が原因
    (メモリから読みだすので速度が速い)
種類結果
Write(1GB)962 MB/s
Read(1GB)10.6 GB/s

温度センサー情報

デバイス温度・電圧など
GPU(edge)25.0°C
GPU PPT5.08 W
NVMe センサー22.9〜41.9°C
CPU(k10temp)27.0°C
ACPI(acpitz)20.0°C
LAN(r8169)30.0°C

ネットワークテスト(ping)

指標IPv4(8.8.8.8)IPv6(google.com)
平均RTT4.677 ms4.443 ms
最小/最大4.334 / 4.812 ms4.216 / 4.810 ms
パケットロス0%0%

ストレステスト(30秒)

ストレッサbogo ops/s(実時間)備考
CPU(8スレッド)5190安定動作
IO(4スレッド)9129安定動作
VM(2スレッド)71189安定動作
総合エラー 0 / スキップ 0 / 全テスト合格

GPUドライバ動作確認

GPUドライバの認識確認は以下の通り別途行いました。

OpenGL

以下のコマンドで 実際にGPUが描画に使われているか確認します。

glxinfo | grep "OpenGL renderer"

出力は以下の通りでした。

OpenGL renderer string: AMD Radeon Graphics (radeonsi, phoenix2, LLVM 20.1.2, DRM 3.61, 6.14.0-35-generic)

上記から、以下のことが確認できました。

  • Mesa の radeonsi ドライバが有効化され、ハードウェア描画が機能。
  • Wayland / GNOME環境でスムーズな描画を確認。
  • Blender・OBS・動画再生なども支障なし。

Vulkan

Ubuntu環境での Vulkanドライバの状態を以下のコマンドで確認します。

vulkaninfo | grep "driverName"

出力は以下の通りです。

'DISPLAY' environment variable not set... skipping surface info
        driverName = radv
        driverName = llvmpipe

上記から以下のことが確認できました。

  • radv(AMD向けMesa Vulkanドライバ)が正常にロード。
  • Vulkanアクセラレーション動作確認済み。
  • llvmpipe はCPUフォールバックドライバであり問題なし。

GPUドライバ確認結果のまとめ表

評価項目状態コメント
amdgpuドライバ✅ 正常動作カーネルレベルで制御中
OpenGL (radeonsi)✅ 有効GPUレンダリング使用
Vulkan (radv)✅ 有効ハードウェア描画確認済み
GUI動作✅ 安定Waylandでも問題なし
サーバー用途✅ 最適GPU支援を使わず安定稼働可能

使ってみた感想

MINISFORUM UM750L Slim をUbuntuサーバーとして使ってみて、以下の点で優れていると感じました。

  • 手のひらに乗るくらいのサイズ感なので設置場所の自由度が高い
  • 100WクラスのUSB-C充電器で動かせるので、取り回しが良い
  • 消費電力は負荷をかけても15 W程度。アイドル時は5 Wと低消費電力。動作音が小さい。
  • 2.5G LANなので高速通信ができる
  • 性能も必要十分(Raspberry Pi 5 の3~5倍の性能)

えりるさん的には消費電力が少ないことと、CPU性能が良かったことがすごく気に入りました。
前はRaspberry Pi 4で自作のウェブアプリを動かして勉強がてら遊んでたんですが、これだと性能が足りなくて、負荷をかけるとたまに落ちちゃったりしてました。
MINISFORUM UM750L Slim の場合は落ちることももちろんなくなり、アプリの動作速度も体感5倍くらいになりました。

ただ、BluetoothとWi-Fiは初期状態では認識していなかったので何らかの工夫が必要です。
これはちょっと微妙ポイントで、Ubuntuインストール時にオプションでWi-Fiドライバを入れているので動いてほしかったなあというのが正直なところ。

ただ、最近のインフレ環境の中でこの性能が5万円前半で買えるならコスパはかなり良いと思います。
Raspberry Pi でそろえる方がもちろん安いですが、それでも一式そろえると3万円近くはかかります。
総額と性能を考えると、サーバー用途ならミニPCの方が良いんじゃないかなあと思いましたね。

まとめ

この記事では Ryzen 5 7545U を搭載した MINISFORUM UM750L SlimUbuntu 24.04.3 LTS を導入し、サーバー運用の安定性やドライバの互換性を中心に検証してみました。

最近ミニPCはいろんなのが登場していますが、性能に対する価格のバランスを考えると、MINISFORUM UM750L Slim はコスパトップクラスだと思います。
CPU性能もRyzen 5 7545UはRaspberry Pi 5 の3~5倍くらいなので、軽いUbuntuサーバーとしては必要十分ですね。
UbuntuだとBluetoothとWi-Fiが認識しなかったのが注意ですが、有線LAN環境を用意できれば問題ありませんでした。

あとは長期間運用して壊れないかが問題ですね。
とりあえず1か月くらいは使ってみましたが今のところ大丈夫そうです。
1年後くらいにまたレビューしようかな。

ともあれ、サイズの小さい性能十分なLinuxサーバーをお探しの方にはぴったりのPCだと思います!

えりる
えりる

えりるさん的には非常に満足。おすすめです!


えりるさんが気になっている商品紹介コーナー

Minisforum のミニPC UN150P です。CPUは Intel N150 というもので基本的な消費電力は6Wくらいとかなり低消費電力でありながら、ネットサーフィンやYouTubeの動画視聴くらいなら困らないくらいの性能があります。Raspberry Pi 5 よりも性能が良いそうです。
消費電力が少ないので、Ubuntu等を入れてサーバー的に使うこともできますね。同じような用途だとRaspberry Piでもできますが、ケース等を買っていると結局同じくらいの値段になるので、それだったらミニPCにした方がいいかなと思います。
えりるさんはサーバー運用のお勉強に買ってみようかなあと計画中です。(Raspberry Pi 4 1GBだとちょっとスペックが足りなかった…)

えりるについて
えりる
えりる
日本のどこかに生息する平成生まれの研究者。とっても理論家と思いきや気分屋さんでもある。基本的にめんどくさがり。修士(工学)を持っている。 Windows, Mac, Linuxの三刀流。
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